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名古屋地方裁判所 平成3年(わ)929号 判決

本店の所在地

愛知県岡崎市稲熊町字四丁目二六番地

株式会社大須賀製作所

右代表者代表取締役

大須賀繁

本籍

愛知県岡崎市稲熊町字四丁目二六番地

住居

右同

会社役員

大須賀繁

昭和一七年五月一一日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官畝本直美出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社大須賀製作所を罰金二〇〇〇万円に、被告人大須賀繁を懲役一年にそれぞれ処する。

被告人大須賀繁に対し、この裁判が確定した日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社大須賀製作所(以下「被告会社」という。)は、愛知県岡崎市稲熊町字四丁目二六番地に本店を置き、配電盤ボックス製造加工等を目的とする資本金六〇〇万円の株式会社であり、被告人大須賀繁は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括していたものであるが、被告人大須賀繁は、被告会社の右業務に関し、法人税を免れようと企て、売上を除外するなどの方法により、所得の一部を秘匿した上

第一  昭和六二年三月一日から同六三年二月二九日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が八九二七万八一四八円であり、これに対する法人税額が三四七七万五八〇〇円であるのに、同年四月二八日、愛知県岡崎市明大寺本町一丁目四六番地所在の所轄岡崎税務署において、同税務署長に対し、所得金額が四九九四万四三八〇円であり、これに対する法人税額が一八二七万二五〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、正規の法人税額との差額一六五〇万三三〇〇円を免れ

第二  昭和六三年三月一日から平成元年二月二八日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億五八二一万〇八八四円であり、これに対する法人税額が六四九五万九八〇〇円であるのに、同年四月二七日、前記岡崎税務署において、同税務署長に対し、所得金額が六三七一万七八四円であり、これに対する法人税額が二五二六万九八〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、正規の法人税額との差額三九六九万を免れ

第三  平成元年三月一日から同二年二月二八日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億四一一一万一二五円であり、これに対する法人税額が五八〇三万二二〇〇円であるのに、同年四月二七日、前記岡崎税務署において、同税務署長に対し、所得金額が八六三四万九五一八円であり、これに対する法人税額が三五〇三万三九〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、正規の法人税額との差額二二九九万八三〇〇円を免れ

もって、いずれも不正の行為により、被告会社の法人税を免れたものである。

(証拠の標目)

判示各事実

一  被告人大須賀繁の当公判廷における供述

一  同被告人の検察官に対する供述調書

一  同被告人の平成二年一一月二〇日付、同月二一日付、同年一二月四日付、同月一三日付、同三年二月七日付、同年三月二〇日付大蔵事務官に対する各供述調書

一  小久保忠の検察官に対する供述調書

一  大蔵事務官作成の各査察官調査書

一  登記官作成の平成三年二月二一日付登記簿謄本

判示第一の事実について

一  被告人大須賀繁の平成三年三月七日付大蔵事務官に対する供述調書

一  大蔵事務官作成の同年二月一八日付証明書(検甲2号)

同第二の事実

一  大蔵事務官作成の同年二月一八日付証明書(検甲3号)

同第三の事実

一  被告人大須賀繁の同年二月二一日付大蔵事務官に対する供述調書

一  大蔵事務官作成の同月一八日付証明書(検甲4号)

(法令の適用)

罰条 法人税法一五九条、一六四条一項

刑種の選択(被告人大須賀繁) 懲役刑

併合罪の処理 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、四八条二項(犯情の最も重い判示第二の罪の刑に法定加重、合算)

刑の執行猶予(被告人大須賀繁) 同法二五条一項

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 金田智行)

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